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武庫川女子大学の実践学習プログラムとして、6人の学生さんが森の木ファームの取材をして記事を書いてくれました!
福祉を勉強したことのない学生さんたちの目に、森の木ファームはどう映ったのか??
6人6様のコラムを紹介させていただきます。
(第5弾/全6本)
【テキスト:針塚 稀々】
皆さんは地域共生社会という言葉を聞いてなにを思い浮かべますか?もしくはこの言葉を知らない方も多いかもしれません。
今回は淡路島にある森の木baseさんに訪問して「地域共生社会」についてのお話を伺ってきました!
今回、お話を聞かせていただいたのは森の木ファーム株式会社の松本守史社長と奥さんの恵里奈さんです。
インタビューさせていただいたのは武庫川女子大学経営学部の針塚です。初のインタビューで、思っていたよりも緊張してしまいました😶
森の木baseは福祉施設と地域の交流拠点がひとつになった場所です。一人では解決できない問題があっても、人や活動とつながることで、その関係性の中で解決を図っていけることを目的としています⭐️
※森の木baseの運営は森の木ファーム株式会社ではなく、同社の有志が発起人となり設立されたNPO法人、淡路島・地域共生社会実現ラボが行っています。
森の木ファーム株式会社、淡路島・地域共生社会実現ラボの詳細はこちら!
地域共生社会とは、高齢者や障がいのある方、子ども、生活に困っている方など、さまざまな立場の人が支え合いながら、住み慣れた地域で安心して暮らしていける社会のことを指します。福祉サービスを受けるだけでなく、地域の人々や自治体、企業、NPOなどが手を取り合い、誰もが役割を持ちながら、助け合える仕組みをつくることを目指しています。お互いを思いやり、みんなで温かい地域を育てていく──🌱
そんな未来につながる取り組みについて、お話を伺いました。
まずは地域共生社会を理解する上で避けては通れない国の福祉制度のお話から!
1 子育て・児童
2 介護
3 障がい
4 生活保護
どれも福祉に関わる分野ですが、今の国の制度や仕組みでは縦割りで連携が取れていない場面も多々あるといいます。
例えば、障がい者手帳を持つ方が子どもを産むと、1の「子育て・児童」と3の「障がい」の2つの制度が関わるわけですが、窓口が異なっていて連携がとられていない場合には、利用者にとっての負担が増えてしまう現状があります。
そんな悩みを少しでも解決するため、森の木baseでは一般的な社会との間にマーケットホールを展開し、制度におさまらないワンステップの窓口を創り出しています。
ここからはインタビュー形式でお伝えします✨
—森の木baseでの活動や、取り組んだ際の感想はありますか?
これまで色々なやりたいことに手を出してやって来ました笑。その中でも「食、花、健康、子育て、やってみたいを応援」の5つをテーマに、これまで色々なやりたいことに取り組んできました。例えば「食」については、カレーの日を作り、この日はみんなでカレーを食べると決めたんです。それを続けていると、生産者さんが関わってくれるようになるとか、誰かが食べに来てくれるようになるとか、食べに来た中で支援が必要な人と繋がるとかっていう、これから起こり得る出来事に期待してやってますね。
逆に、参加者さんの声を聞かせてもらうこともありますよ!「子育て」では、ママたちに手帳みたいなものを書いてもらっています。自分の子どもの成長日記みたいな感じですね。
地域の高校生たちも、子育て体験のイベントに来てくれたり、感想を書いてくれたりもしました。実際に体を動かして、体験する機会も大事にしてます。仰向けに寝転び、目だけしか動かすことが出来ない体験や、赤ちゃんと同じように視野を狭くする体験、寝っ転がるところから立つところまでの成長過程を知る体験など。椅子に座って勉強するより、身体を動かした方が楽しいと思って考えています。
そういう体験をしてもらう時間をつくることで、子育て中の人も、高校生も、学校の先生も、みんなアットホームな私たちの活動に加わってくれて、一緒に楽しみながら活動をしていってますね。
—これは上手くいかなかったと感じるイベントはありますか?
結構いろいろしたんですけど、去年に2回ぐらい企業と福祉施設を繋ぐマッチングイベントをやったんですね。でもこれは思ってたほどの結果を生めなかったかな、、、笑
企業と福祉施設がマッチングして、福祉施設は「うちの障がい者や高齢者はこんなことが出来ますよ」っていうのを、企業側は「こんなことを手伝って欲しい」っていうのを擦り合わせていき、マッチングしたらお見合い成功という形で仕事を受けるんです。面白そうで意義のあることだなって思っていたのですが、企業側がこんなこともやってくれたら嬉しいという話に対して、福祉施設側がそれはうちの利用者さんたちには難しいかもしれないと、話に乗らないことがあったりしたんですよね。施設は新しいことに取り組もうとすると、それにより施設の作業環境が変わってしまうことの大変さも勉強にもなりましたね。
—これからはどのようなことに挑戦したいと考えられていますか?
もともと幅広いことを単発ですることが多かったから、今年は継続することを目標にやっていきたいですね!本当に色々やりすぎちゃって、それだけじゃ違う気がすると思ったんですよね。テーマを絞って続けていきたいです!
人に相談することをもっと気軽にということをモットーとして、「カウンセリングパーティー」というイベントも開催しています。お坊さんや大学生など、色んな立場の人が相談にのったり、相談したり、地域の中で集まれる機会になったらいいなと思い、今年も続けていきたいと思っています。
*気になった方はぜひ森の木baseのInstagramへ!
—森のたね事業はホームページでComing soonになってましたが、実際にはどんなことをしようと思ってるのですか?
森のたね事業は障がいのあるなしに関わらず、働くことに支援を必要とする方を支援するサービスです。長く仕事につけなかったり、長く続かないことの背景を探るため、自己理解のための個人ワークを行っています。障がい者手帳を取得することが難しい人や、手帳の取得を望まない人もいるので、手帳を取得して支援を受けながら働くことだけを目指すのではなく、セッションを通してその人なりの働きやすい環境や働き方についてイメージを深めていきます。
—最後に森の木baseが作る地域共生社会とは?
誰もが自分らしく!困っている人もそうでない人も、希望する暮らしを実現できるような自然な支援を行っていきたいですね。困っている人には様々な福祉の制度を活用した支援を行っていきますが、元気な人の自己実現の支援は、柔軟でクリエイティブな関わり方になります。とりあえずみんなが楽しく健康にハッピー暮らせることが目標です!
世界なんてまだまだ自分の知らないことだらけだと痛感し、もっといろんな世界を知ってみたいと思えてきませんか?私自身、福祉全体の話を聞いて全く知らなかった世界ばかりで驚きと学びでいっぱいです。その一方で、自分にはなにができるだろうと悩みもあります。でも、この悩みも福祉を知るきっかけになり理解を広げられるのなら大事なことであると考えます。私たちだけでなく、より多くの人が悩みながらも自分のことのようにいろんなあり方を考えられたら素敵です。
そんな悩みや不安も何もかも、森の木baseは全ての人の味方です!
地域共生社会というのは、多種多様で人の数だけ生き方の選択肢があります!だからこそ、人と比べてしまったり悩みを抱えることがあるのかもしれません。それでも、地域共生社会の誰もが役割を持ちながら、助け合える仕組みがあれば、生きやすさが増し、希望を感じられるのではないでしょうか。
みなさんもぜひお時間のある時に森の木baseへお立ち寄りください🙌
温かさと好奇心に溢れた世界が待ってます!