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武庫川女子大学の実践学習プログラムとして、6人の学生さんが森の木ファームの取材をして記事を書いてくれました!
福祉を勉強したことのない学生さんたちの目に、森の木ファームはどう映ったのか??
6人6様のコラムを紹介させていただきます。
(第6弾/全6本)
【テキスト:豊浦 海莉】
福祉は特別な誰かのものではなく、誰にとっても身近なもの——
そう語るのは、「新しい福祉のカタチ」を追求する 森の木ファーム の松本さん。挑戦を続ける松本さんの原動力や、人とのつながりの大切さについてお話を伺いました。
この記事では、
⭕️森の木ファームとは?
⭕️松本さんの挑戦し続ける理由とモチベーション
⭕️人とのつながりを幸せ大切にする秘訣
⭕️大学生へのアドバイス——今すぐ始められること
⭕️福祉について知ってほしいこと
を紹介しています!
<人物紹介>
▶️松本 守史(マツモト モリト) さん
森の木ファーム株式会社 現社長
▶️豊浦 海莉(トヨウラ カイリ)
本記事 インタビュアー
武庫川女子大学 経営学部2年生
—まずは、森の木ファームはどんな企業なのか、改めてご紹介ください!
「森の木ファームは、障がい者福祉事業を軸にしながらも、『新しい福祉のカタチ』を目指して、さまざまな挑戦を続けている企業です。
もともとは、地元の建設会社が運営していたが一時廃業していた椎茸工場。その後、『この工場をどう活用しよう?』と考えたのが森の木ファーム誕生のきっかけでした。
開業当時、椎茸の価格がどんどん下がっていて、『椎茸以外の仕事も考えていこうか…?』と悩む日々。そんな中、淡路島の“狭くて深い”コミュニティの魅力を活かし、たくさんの人に話を聞いてみたんです。すると、思いがけないアイデアがどんどん生まれて、小さなチャレンジを積み重ねながら、今の森の木ファームへとつながっていきました。
もちろん、ここまでの道のりは順風満帆ではありません。社員が先代社長と僕の2人だけになったこともあったんですよ…!試行錯誤を重ねながら、今の形にたどり着いたんです。」
💡森の木ファームの歩みは、単なる企業経営ではなく、地域との関わりの中で育まれてきたものだと感じます。社会の変化に適応しながら、より多くの人にとって価値のある福祉を提供し続けるために、試行錯誤を重ねてきたのですね。
—松本さんの原動力やモチベーションとなっているものはなんですか?
「現状維持は衰退だ、という考えのもと、常に動いていますね。
近年、物価がどんどん上がる中で、去年と同じことをしていたら従業員のお給料は少なくなってしまう。自分のお給料も上げられない。だからこそ、新しいことに挑戦していくことは必要不可欠です。
まずは会社を存続させるため、という思いが大きいですが、それだけではありません。人口減少が進んでいる淡路島ですが、住んでいる人が健康的で楽しい暮らしをしてほしい!という私の理想に少しでも近づけるために、自分でアクションを起こしています。
『やればできるかも!』という前向きな気持ちこそが、私の原動力になっているのかもしれません。」
💡「現状維持は衰退」という言葉には、強い覚悟が感じられます。社会が変化し続ける中で、同じことを続けるだけでは前に進めない。これは企業経営に限らず、私たち自身の成長にも当てはまるのではないでしょうか。
松本さんが思う理想の世の中は、シンプルだからこそ、本質的な理想だと感じます。「楽しく暮らす」というのは当たり前のようで、意外と難しいもの。だからこそ、地域社会の中で支え合い、誰もが自分らしく生きられる環境をつくることが大切ですね。
森の木ファームにて、施設のご紹介をしてくださる松本さん
—人との繋がりを大切にされている松本さん。関係を長く続けていくために意識していることはありますか?
「自分がリスペクトできる人と関わることを大切にしています。僕は、ストイックな人が好きなんです。何かに対して真剣に打ち込む人の話を聞くのが楽しくて、そうしているうちに自然と人脈が広がっていきました。リスペクトし合える相手とは、関係が長く続くものです。お互いを大切にできる関係が築ければ、円滑で心地よいコミュニティが生まれるのではないかと思います。」
💡つながりを大切にするには、お互いをリスペクトすることが不可欠だというのは、本当にその通りだと思います。相手を尊重し、思いやる気持ちがあってこそ、信頼関係が築かれ、より深い関係性が生まれるのだと感じます。
私自身、これまでの人間関係を振り返ると、「この人ともっと深く関わりたい」と思える人とのつながりが、自分の成長や幸せにつながっていると実感することが多いです。すべての人と深く関わることは難しいからこそ、自分が大切にしたいと思う相手との関係を丁寧に育んでいくことが、豊かな人生につながるのではないかと思います。
森の木ファームが関わった商品のご紹介をしてくださる松本さん in うずの丘
—私たちのような大学生に、若いうちにしておいたらいいと思うことはありますか?
「やってみたい事を言葉に出す、今楽しいと思う事を続ける、です。
楽しい事を続けていると、思わぬチャンスが飛び込んできたりする。
悩むくらいなら、なんでもいいので何か始めてみたらいいと思います。自分が何を始めたらいいのか、やりたいことがわからなければ一旦周りが進めることに乗っかってみるのもアリですね。」
💡やりたいことが分からなくても、まずは動いてみる——この言葉には、とても共感します。私自身、何か新しいことを始めるとき、「本当にこれでいいのかな?」と迷うことがありますが、実際に行動してみると、思いがけない発見や新しい興味につながることが多いと感じます。
松本さんの言葉からは、「挑戦することの大切さ」が強く伝わってきます。考えすぎて動けなくなるよりも、まずは小さな一歩を踏み出してみることが大切なのかもしれません。その一歩が、未来の自分にとって大きな意味を持つかもしれないと思うと、少し前向きな気持ちになれます。
—それでは最後に、松本さんが福祉において知っていてほしいことはありますか?
「福祉は、いつ誰に関わるかわからないものです。特定の人だけのものではなく、誰もが自分らしく生きられたらいいなと思います。他人事ではなく、仲間としてあたたかく関わってほしいですね。
また、困っている人だけでなく、元気に見える人も、何かに必死に打ち込んでいるのかもしれない。お互いの好きなものや夢中になっていることを知ることで、より深く理解し合える。
福祉の本質は、みんなが自分らしく生きられる社会を目指すことにあるのかもしれません。」
💡福祉とは、特定の人のためのものではなく、誰もが関わる可能性のあるもの。だからこそ、他人事ではなく、自分のこととして考えることが大切なのだと感じます。
常にエネルギッシュに挑戦し続ける松本さんの姿勢からは、本当に多くの学びがあります。悩む前にまず行動してみること、そして柔軟な発想で人やモノをつなぐこと——その積み重ねが、新しい可能性を生み出していくのだと感じました。
「福祉」という言葉は、最初は少し難しく堅いイメージに思えるかもしれませんが、「誰もが自分らしく生きられる社会」と考えると、ぐっと身近に感じます。私自身も、「福祉」は特定の人のためのものではなく、すべての人の暮らしとつながっているのだと改めて気づかされました。そして何より、松本さん自身がその理想を体現しながら、実際に行動し続けている姿勢こそが、大きな説得力を持っているのではないでしょうか。私も、自分にできることから少しずつ行動に移していきたいと思います。
松本さんからいただいた森の木しいたけを持って集合写真📷